学習塾を選ばない生徒は大きく分けて3つに分類されます。
その中でも不登校は多く、全体の約半数以上です。
室蘭の中学生を担当した時のエピソードです。
お母様と電話でお話しする機会を作る事ができました。この生徒は家族以外とは誰とも離さない状態が半年以上続いているそうでした。今はなくなったけども小学生の時のいじめが原因で学校そのものが嫌になっているとおっしゃっていました。 反抗期も重なっているので親の言う事も聞かず、せめて学校に行けるようになって欲しいと切に願っていました。
家族以外と話をしていない状況ならば、私が話しかけるのは逆効果です。しかし憎まれ口でもお母様と話をしているのであれば、まず息子さんの言い分を「そうだね。」と、聞いてあげて同意して下さいとアドバイスしました。
そして全部聞き終わった後にゆっくり、一つだけお母様の気持ちを伝えてみて下さいとお願いしました。
親の立場からすれば実行するのが大変な事を敢えてお願いしました。 生徒が心を閉ざしている状態で誰も話しかけられない中、ご両親だけはかろうじて会話が出来ています。
きつい事を言ってくるのは「せめて親なら分かって欲しい。」と、いうサインなのかもしれません。
後日お母様から電話があり、アドバイス通りに実行してみたら、家で勉強するようになったとおっしゃっていました。
実は私の所にもオンライン教材のログイン記録が届き、勉強した実績データが送られてきていました。
数日後には私の下に生徒から質問のメールが届きました。
分かりやすい文ではなかったので、「君の質問内容が判らない。」と、返事を送ると、別な質問を次々と送ってきました。 その話をお母様にすると驚いた様子で、「どこを勉強しているか、内容まで話が出来るようになったのですが、講師宛てにメールを送っているとは思ってもみませんでした。」と、おっしゃっていました。
電話口で明るく話しているので、順調な様子が良く分かりましたがそこまでたどり着くのに随分な苦労をしたのだなと言葉の節々から感じ取る事が出来ました。
それから3か月後、彼がオンライン教材を退会するメールが届きました。
続けられなかったのかと残念に思っていたところ、オンライン教材の本社から電話があり、『学校に復帰出来たので、先生によろしくお伝え下さい。と、何度も念押しされました。
お礼の連絡が来るのはそうある事ではないんですよ』と、担当者が教えてくれました。
頑張ったのは本人とご家族であって、私がした事はさほどのものではないのですが、一緒に喜びました。
もう不登校にならない事を祈って止みません
学校は社会での集団行動を教える場です。
協調が最も大事でそれは没個性を押し付ける事にもなる可能性もありますが、一方で災害時に被災者同士が協力し合う、ボランティアがすぐ行動を起こすなど、日本人の美徳として世界が認める部分を育んでいる事も事実です。
何かに反応して集団になじめない時は無理強いをする事は出来ませんが、側で一緒にチャレンジする事は出来ます。
この側と言うのは物質的な距離ではなく、心の距離です。思いが一緒とだと感じるとそれはお互いに心強くなります。そうやって社会に順応するように出来ているのでしょう。
このような一時的な逃げ場として月見学道では教室を開放することも出来ます。
塾の授業前の昼間の時間に不登校の生徒の受け入れを始めました。
生徒によって様子が違いますので受け入れ条件も一定の基準を設けていません。生徒一人ひとりに合わせます。もし興味を持っていただけましたら、まずはお問い合せ下さい。